理不尽なコンピュータとつきあう

●夕方、急にPV製作の話が舞い込んだ。プレゼンのために何点か映像作品を提出することになり、編集途中のまましばらく放っておいたものを大急ぎで仕上げにかかる。なにしろ時間がない。徹夜覚悟で黙々と作業を進めていた夜11時頃、いきなり Final Cut Pro がダウンする。プロジェクトを開き直してみると、過去3時間の作業が全く反映されていない。3時間前に逆戻りである。
●いや、そんなはずはない。もっとこまめにセーブしていたはずだ、と思うが、相手はコンピュータだ。こちらの理屈は通用しない。ふつふつと怒りが込み上げるものの、コンピュータに怒りをぶつけても埒があかないので、自然とその怒りは自分自身に向かうことになり、精神衛生上好ましくない事態を招く。こういうときは、過去の3時間はなかったものとして、さっさとあきらめるしかない。
●ぼくはペットを飼ったことはないけれど、犬や猫に怒る場合は、直接怒りをぶつけることができるだろう。それは、ペットと人間の間で意志の疎通ができ、人間の理屈がペットにも通用すると考えられているからで、それに対してコンピュータは、使う人の事情などお構いなしの理不尽な存在である。
●まあ、開発者に怒りをぶつけるという手はありかもしれないな。