レンダリングの時間

●今朝の3時半頃までかかって、編集中だった作品はなんとか完パケ。この作品の自分なりのテーマは、デイヴィッド・ホックニーフォトモンタージュみたいなことを映像でやったらどうなるか、というものだったんだけど、ビデオトラックを最高で5本重ねたりしてて、レンダリング(映像を加工したりエフェクトを加えたときに必要な計算処理)に時間がかかってしょうがない。レンダリング中は他の作業を同時に進めることができないので、計算が終わるまでディスプレイの前でぼーっと待っているしかない。尺はたった5分なのに編集に膨大な時間がかかるわけだ。
●3時間ほど眠ってバイトに行き、帰ってきてから「RESFEST」のDVDを見る。「RESFEST」というのは、デジタル技術を使ったショートムービーの映画祭で、毎年世界数都市を巡回して開催されているらしい。1/30の日記に書いた「アンダー10ミニッツデジタルシネマフェスティバル」の世界版という感じか。ただ、マイク・ミルズの作品はフィルムで撮影されていて、デジタルを使った痕跡が全く見られないのだけど。マイク・ミルズの名前を出したかっただけなのかな。
●DVDには各作品の監督のコメントも収録されていて、3分半の作品のレンダリングに半年かかったという監督がいた。レンダリングに半年もかかる作品なんて、ぼくは作りたくないな。なんか、明日の天気予報の計算に半年かかってるみたいな、計算結果は限りなく正確だとしても、結果が出た頃にはもう役に立たないみたいな不毛さを感じる。(たとえがあまり適切じゃない気もするけど)
●製作期間の長さが問題なのではなくて、1年とか2年とかかけて試行錯誤しつつ、その間の作り手の変化も反映させながら作っていくのならばいいと思うんだけど、既にこんな映像になるとわかっている結果を半年かけてコンピュータに計算させて、その間作り手はただ待っているだけというのはね。やっぱり不毛だな。テクノロジーの進歩によって計算処理にかかる時間はどんどん短縮されていくんだろうけど、中途半端なテクノロジーなら使わない方がいい。マイク・ミルズを見習おう。